私が4ヶ月間お世話になっていた「
大鹿ふりだし塾」がある
長野県の大鹿村というところは、もともと昔から住んでいる村民以外に、
ヒッピーカルチャーやカウンターカルチャー全盛の時代に
国内外のいろいろなコミューンで生活していた人や旅人などが移住先を求めて
1980年代頃から少しずつ移り住み始めて、
その友人、知人がまたやってきてという感じで入村者が増え、
その入村者同士のつながりから、
とてもゆる〜いコミューンが形成されているようにも見える
知る人ぞ知るとてもおもしろい村です。
居候がよく来るような家がふりだし塾の他にもけっこうあるようで、
こういう感じの村なので音楽好きや旅好きなどいろいろ個性的で変わった人たちが、
自然と集まってきてしまうのも大鹿村の特徴だと思います。
ふりだし塾の主人ゲタさんも学生運動をしていたり、
ヒッチハイクで何年も旅をしながら、
世界各地のコミューンで生活したりしていた人です。
60年代、70年代のいわゆるヒッピームーブメント当時のことは、
私にとっては映像や活字で知る程度だったので、
実際にその時代を体験したゲタさんのような人の
学生運動の話や、旅やコミューンの話などはとても興味深かったです。
入村者には、ゲタさんのように自分で家を建てて住んでいる人も多く、
ミュージシャンや音楽好きも多いので、時々自分の家や敷地内で
ライブやイベントを開催したりもしています。
私がいた時は機会に恵まれませんでしたが、
ふりだし塾でも夏場などはライブやイベントをすることもあるそうです。
ライブといえば、ゲタさんの息子のタケルがミュージシャンで、
つい先日東京は代々木公園で開催された「春風」のステージで唄っていました。
ふりだし塾で会った人や大鹿村関係の人も何人か来ていて、
私個人的にはだいぶ盛り上がりました。
ゲタさんとタケルのような大鹿村の親子見ていると、
世間一般的な普通の親子の関係とはちょっと違って見えます。
私は大鹿村の他の家族も目にする機会がありましたが、
やはりそれは入村者のどこの家も共通で、
親の世代と2世の世代の人間が友達のような対等な関係で、
それぞれがお互いにあだ名や名前で呼び合っています。
そうかといってどこの家も親にはどこか威厳があり、
2世世代は年長者を大切にするというか、
親を敬う感覚は常に持っているという感じの理想的な関係が
築けているように見えました。
これは元祖ヒッピーともいえる人たちが親で、
そんな感じの人が集まった大鹿村という環境で育った子どもたちという、
他ではなかなか見ることができないコミュニティが
できあがっているからかもしれません。
これからの時代は新しい共同体が次々とできて、
それが生活単位の主流になっていくという話もありますが、
大鹿村の入村者同士のつながりは、
コミュニティの一つの形と言えると思います。