「Ihunke(イフンケ)」というのは、
北海道出身のアイヌの音楽家、安東ウメ子さんの楽曲です。
安東ウメ子さんのことは最近知ったのですが、
この「Ihunke」という曲をはじめて聴いた時に、
とても印象的な体験をして
忘れられない曲になってしまいました。
その時私は薪ストーブの前に座り、その暖かさに包まれながら、
精神安定や筋肉弛緩などの効用がある
ポリネシア原産のカバカバというお茶をたまたま飲んでいて、
少しほわ〜んとした状態のときに、友人のパソコンから「Ihunke」が流れてきました。
私は安東ウメ子さんの独特でやさしい歌声にすぐに聴き入ってしまい、
薪ストーブの暖かさに癒されながら目を閉じて聴いていると、
次第に言葉にするのが難しい何とも言えない感覚になってきて、
涙が出てきそうな感じがしていました。
この感覚は何だろう、と考えていると
母親のような存在にひざまくらをしてもらっているイメージがわいてきて、
心をなだめられているというか、慰められているというか、
「泣かないでいいんだよ。もう大丈夫だから、安心してお眠り」
とやさしく言われているような、
すべてを信頼して完全に心を許すことができるその大きな愛に包まれて、
心底安心しているような、
そんな子どもや赤子のような感覚の中で「Ihunke」を聴いていました。
曲を聴き終わると、ちょうどアイヌ文化の本をめくっていた友人が、
「イフンケ」について書かれているところを読んで説明してくれて、
「イフンケ」というのはアイヌの子守歌のことだということを私はその時はじめて知り、
おまけにその本にのっていた子守歌の訳語が、
ついさっき「Ihunke」を聴きながら私が感じていたイメージとピッタリの内容だったので、
驚いてしまったというわけです。
「Ihunke」についてはアイヌの音楽という程度の予備知識しかなく、
誰が歌っているのかも、まして子守歌ということも知らずにいきなり聴いたので、
すべては安東ウメ子さんの歌声が私に子守歌の世界を感じさせてくれたということです。
まだ聴いたことのない人はぜひ聴いてみてください。
こちらのサイトで聴くことができます↓
『AINU: SPIRIT OF A NORTHERN PEOPLE』※トップページ中央「ENTER」クリックで自動再生