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サバイバルキャンプ@西表島【山編】

サバイバルキャンプ@西表島【序章】からの続きです。


約4ヶ月やっていたきび刈りが終わり、
そのあとも植え付けや除草剤散布などの仕事があったけどそれも終わり、
いよいよキャンプ出発の日を迎えました。

当日の朝は雨。
でもいざ出発の時間になると雨はあがりました。

私が住み込みをしていた豊原から縦走出発地点の大富(林道の施錠地点)までは、
親方のSさんが軽トラで送ってくれました。

本当は反対側の浦内川から大富へぬけてくるのが横断道の正規のルートとされていて、
縦走をするほとんどの人がそれで行くみたいだけど、
いろんな都合があって私は逆走になる大富スタートにしました。


>>Day 1【大富〜第一山小屋跡】

林道の施錠地点を出発してしばらく歩くと途中から急な上り坂がひたすら続きます。

横断道入口の大富口までは意外と距離があって、さらに太陽も出てきていたので
早くも汗でTシャツがびしょ濡れ。

西表の横断道は急ぎ足で1日、大抵の人は途中で1泊して行くようなルート。

私はそれを最低でも2泊、いい場所があればそれ以上するつもりでいました。

だから、特に急ぐ必要もなく、暗くなるまでに宿泊予定地に着ければよかったので、
汗だくになってきたらゆっくり休憩しながら行きました。

しかし、林道の急な上り坂で早くもバックパックの重さが応えてきました。

この時は西側の海のルートも入れると2週間以上の行程を予定していたので、
途中通る売店で食糧を調達することも考えながらも、
米やみそなどはだいたい全行程分くらいの量(少なく見積もって)はあったし、
そのうえ、住み込みの自炊で残った大根が半分くらいあったり、
重みの増すバナナを数本なぜか持ってきていたりと、
その他もろもろ、食糧だけでもそれなりの重量になっていたと思います。


そうこうしているうちに横断道入口(大富口)に到着。

西表横断道大富口
横断道入口(大富口)


いよいよここからはブッシュの中を歩きます。

思っていたより道幅が狭く、大人ひとりやっと通れるくらい。

横断道はほとんどが川の近くを行くので途中ちょくちょく渡渉地点があったり、
特にこの日は朝方までの土砂降りの雨で道が水没しているところもあったりしたので、
長靴がベストという経験者の話を素直に聞いて長靴を履いてきて大正解でした。

私が履いていたのはきび刈りでも使っていた田んぼ用のゴム足袋。

普通の長靴より軽く、足にぴったりフィットして歩きやすいし、
ヤマビルの侵入も防いでくれるのはいいけど、かなり蒸れるところが難点。

おまけに土の上を歩くことしか考えられていないと思うので、
靴底のグリップ力はあまり信頼できず、
湿った岩の上や川を渡るときの川底の石の上などでは、
重い荷物を背負っていることもあってちょっと気をぬくとすぐツルっといくので、
その点はかなりのデメリットでした。


道が細くて茂っているのでなかなかゆっくり休憩できるようなところがない中で、
川べりで比較的視界が広く、気持ちよい場所があったのでそこで昼食。

浦内川上流
昼食休憩した川べり


ここではまだ川幅は狭いけど、この川が沖縄県内最長を誇る浦内川の上流。

このあたりは密林を静かに流れる川と生い茂る熱帯植物が、
ジャングルらしさを演出しています。

西表横断道はこの浦内川に沿って通っているので、
進んでいくにしたがって源流に近い場所から次第に川幅が広がって行く、
言うなれば一本の川の成長を眺めながら歩いて行く道でもあるのです。


3時前にキャンプ予定地、第一山小屋跡に到着。

ここはそんなに広くもなく周囲はブッシュに覆われているので
あまり開放感はありませんでした。

すぐそばを川が流れているけど、川に行くには急な斜面を下りる必要があり、
ちょっと面倒くさい感じです。

第一山小屋跡付近の川(下流方面)
第一山小屋跡付近の川(上流方向)

第一山小屋跡付近の川(上流方面)
第一山小屋跡付近の川(下流方向)
写真奥は別の川との合流地点で川底が見えないほど深く巨大魚でもいそうな雰囲気


少し休憩してテントを設営。

まだ明るいうちにすべてが片付くように、
早速薪を集めて晩飯の準備のために火をおこし始めましたが、
朝まで雨が降っていた上に、藪に囲まれたこの場所は日照時間も少ないはずで、
乾いた薪や着火剤になる枯れ葉などは限られていて、火を着けるのは一苦労。

一応、バーナーは持ってきていたのでそれを使えば簡単だけど、
せっかくのワイルドな環境だし、自分のたき火のスキルもアップさせたかったし、
とりあえずたき火の方が楽しいので、なるべくたき火をやることにこだわりました。

この日の夕食は米炊いて、前日おばあに頂いた揚げ物の残りを持ってきていたのと、
ここまで歩いてくる間に採ってきたオオタニワタリを湯がいて醤油かけておひたし。

オオタニワタリというのは西表の山の中のいろんなところに生えている着生植物。

新しい葉っぱの先端がくるくるまるまっていて、
その先端からさわってみて柔らかい部分までがおいしく食べられます。

ちなみに、西表ではこのオオタニワタリがスーパーでも売られています。

第一山小屋跡
第一山小屋跡テント風景


さて、なんとか食事も終わり、辺りがうす暗くなってきたなかで歯を磨いていると、
目の前の藪の中に弱い豆電球のような光が点滅しているのを発見!!

これがヤエヤマボタルか!!

この時期に山に入るなら蛍がきれいだぞ〜、という話を島の人から聞いていたので、
すぐにそれがヤエヤマボタルだとわかった。

ヤエヤマボタルはただ光るだけじゃなく、点滅するのが特徴。

話ではそこらじゅう蛍だらけと聞いていたけど、
その時私が見つけたのは点滅する光が一つ。

ん〜、ここは一匹しかいないのかな〜、と思っていると、近くにあと二つ発見!

ん〜、この場所はこんなもんか〜、と思って歯磨きも終わり暗くなってきたので
ひとまずテントに入ってしまいました。


それでもテントの中からメッシュ越しに外を観察していると、
ちょっと離れた藪の中でも数個の点滅する光を発見!

お〜、結構いるじゃんか〜! とちょっと興奮してくる。

しかし、その興奮は“ちょっと”では収まりませんでした。

暗さを増すにしたがって、周囲の藪の中で点滅する光の数はどんどん増え、
こんなテントの中にいる場合じゃないと外に出てみてビックリ!

周囲を取り囲む藪の中には数え切れないほどの蛍が、
それはそれは幻想的に光を点滅させていました。

うす暗くなって夕方の寂しさがただよいはじめていた第一山小屋跡が一変、
まるでそこはディズニーランドのエレクトリカルパレード!!

藪の中だけにとどまらず、あたりをふわふわと飛び回る蛍もいて、
私の顔の前数十センチのところを光を点滅させながら
ゆっくりと通り過ぎていったりもしました。

誰もいない夜のジャングルの山奥の中で私は一人で大興奮、
感動しまくり、アドレナリン大放出状態でした。



>>Day 2【第一山小屋跡〜イタチキ川】
ヤエヤマボタルは素晴らしかったけど、
川は斜面を下りて行かなきゃいけなくて面倒くさいし、
これといって居心地がいい場所でもなかったので翌日、第一山小屋跡を出発。

出発して間もなくロープを渡してある川を渡ります。

第一山小屋跡近くの渡渉地点
第一山小屋跡近くの渡渉地点。増水時は通行不可(奥が第一山小屋跡方面)
この川が山小屋跡のすぐ下を流れる川と間もなく合流する(2つ上の写真参照)


ただ渡るだけならなんてことないけど、激重のバックパックを背負って、
さらにグリップ力の頼りないゴム足袋を履いているのでゆっくり慎重に歩を進め、
途中ツルっといきそうになりながらもなんとか通過。


しかし、川を渡ってほっと一息ついたのもつかの間。

ここからまだそんなには離れてない場所だったと思いますが、
恐ろしいことに私は一度、完全に道を見失ってしまったのです。


どこかで迷った覚えもなく何の疑いもなく正しいと思って歩いていた道が、
次第に草が生い茂り、どこが道なのかわからない状態になってしまいました。

草が道をふさぎ進みずらくなった時点で引き返せばよかったのですが、
私はそこまで完全に一本道だったと思っていたので別のルートを探すという頭は働かず、
横断道がどこまで整備が行きとどいているかもわからないし、
ひょっとしたら草で埋もれている道を通る場所もあるかもしれないと思い、
見る人が見たら完全に道ではないようなところに、
その時の私はそうした勝手な思い込みから何となくの道を見てしまい、
草をかき分けながら、ちょっと違うかなと思いながらも前進して行ってしまったのです。

そして案の定、何となく見えていた道っぽい道も完全になくなってしまい、
とりあえずもう引き返すしかないと思って後ろを振り返った瞬間、
自分がとんでもない状況に置かれていることに気が付いたわけです。

もともと道などないところに勝手な思い込みで何となくの道を見ていたので、
いざ戻ろうと後ろを振り返ってもそこには戻るべき道が見当たらなかったです。

そのうえ、その辺りは同じ種類のシダ系の植物が似通って生えているようなところで、
どこをどう通って来たのかさっぱりわからなくなっていました。

枯れ草や枯れ葉で足あともつかないようなところだったと思います。

ただ、幸い自分がどっちの方角から来たのかは何となくわかっていたので、
ひとまずその方向に足を進めてみたところ、何となく道っぽい道を見つけました。

しかし厄介なことに道は二股に分かれていて、どっちからも来たような気がするのです。

最初に選択した方の道はしばらく行くと違うような気がしたので引き返し、
もう一方の道をしばらく進んでいくと、ようやく見覚えのある
太い木にたどり着くことができました。

結局、この木の反対側に先へ進むべき別の道を発見し、
その道を行くと間もなく道ばたに立っている道標が視界に入り
そこが正規のルートであることを確認できて大きく安堵しました。


この時歩いていた道はところどころよじ登って行くような場所もある急な斜面で、
私が勘違いして道だと思ったのはおそらく大雨の時に水が流れてできる
沢みたいなところだったのだと思います。

このような場所は縦走中たくさんあるので注意が必要です。

一度そこを道だと思いこんでしまうと、本来進むべき道はまったく視界に入らなくなり、
自分でも気づかないうちにいつの間にかルートを外れてしまうのです。

私はこの“思い込み”の怖さをこの後も何度か実感する場面がありました。

一度も迷うことなく縦走を終える人もたくさんいると思いますが、
遭難しやすく単独での入山を許可していない理由を身をもって体験した感じがしました。


オオタニワタリ
オオタニワタリ


しかし、不運は続くもので、この日の試練はこれだけでは終わりませんでした。

アップダウンを繰り返す細く歩きにくい道を
ザックの重さにいちいち気が滅入りながら歩き続け、
途中いきなりハブと遭遇したりしながらもようやくイタチキ川に到着。

それまで密林の中を歩いていた時は小雨がぱらついている程度だと思っていた雨は、
視界が開けたところで見ると結構本降りでした。

崖の下でしばしの雨宿り&昼食休憩。

地図ではイタチキ川を渡ることになっているけど、
ぱっと見たところ川のどこを渡ってその先の道がどこにあるのかわからず、
周りを見回してみると崖沿いに数十メートル上流に行ったところに
ロープが渡してあったのでそこを渡ってみました。

しかし、渡ってみたのはいいものの、
そこから先どこへ進んだらいいのかさっぱり分からないのです。

そこは無数の大きな岩がごろごろして陸を形成し中洲のようになっているところで、
雨が降って岩が滑りやすく重いザックを背負っての歩行はとても困難だったので、
とりあえずザックを適当なところに置いて、進むべき道の手掛かりを探しました。

その中洲を抜けてさらに川を渡った先の密林の方に行かなければならないことは
地図を見ればわかるのですが、その川をどこで渡るのか、
そして、その密林の入り口もどこにも見当たらないのです。


結局、周辺をさまよい歩き2時間、ようやく手掛かりを発見。

中洲から密林へ川の上を渡してあるロープを見つけて、よし!と思ったのもつかの間、
そのロープをつかんでみるとその先はまったく固定されていない。

縛りつけていた木が流されてどこかにひっかかっているような感じ。

どうやらそのロープは昔利用されていた残骸のようでした。

しかし、そのロープが伸びている近くの木に目印のテープが巻きつけてあるのを発見!

色あせていてかなり古びたテープで、
今は使用されていないものだということはすぐにわかったけど、
残骸とはいえ川にロープが架かっていてその先に目印のテープがあるということは、
今は利用されていないとしても、以前はここを通る人もいたということの証拠。

そしてそのテープのところからは、草は生い茂っているものの
何となく道のように見える道が奥へと続いていました。

もう、ここを行くしかないと思い、私は置いてあったザックをとって戻ってきて、
茂みをかき分け道のような道じゃないような道を進むことにしました。

少し行ったところで沢に出て、その沢を登って行こうとしたときに、
沢の向こう岸にけもの道のような道が伸びているのが一瞬視界の端に見えました。

すぐに沢を渡り、いまだ半信半疑でその道を進んでいくと、
なんと急に広い空地に出たのです。

・・・なんだここは?

たとえば、ジャングルの中で長年眠っていた古代遺跡を発見した人などと
その時の私はたぶん同じような気分だったと思います。

??? ←こんな感じです。

いきなり現れたその空地の意味がまったくわかりませんでした。

たき火の跡があったので、もしかしたら誰かかなりワイルドな人がここを開拓して、
最近まで住んでいたんじゃないかという妄想まで膨らみはじめました。

ここがどこだかまだわからないけど、とりあえず人がいた形跡があるところに
今自分がいるということと、今日のテント場を見つけたことで
ようやく緊張の糸が少しほぐれました。

私がその空地に着くのとタイミングを同じくして
また雨が強くなってきたので、しばらく雨宿り。

小降りになってきたところで早速テントをたてることにしました。

テントを張る場所を考えながら空地の中を歩いていたとき、
それまで倒木に隠れて見えなかった道標を発見!

つまり、今自分がいるこの空地は
横断道の正規のルート上にあることがその時はじめてわかったのです。

一時は来た道を引き返し、大富に戻ることも考えたので、
この道標を見つけた時は本当に嬉しかったです。

そして、この日も夕方うす暗くなると無数の点滅する光に癒されました。



>>Day 3【イタチキ川空地】
夜中も降り続いた雨は明け方にはやみ、太陽が顔を出しました。

早速、空地のすぐわきを流れる沢で洗濯。

そして、素っ裸になって水浴び。最高の気分でした。

イタチキ川空地テント風景
イタチキ川空地テント風景


続いて薪拾い。

雨で湿っている薪や落ち葉を陽の当る所に並べて乾燥させることにしました。

薪乾燥
薪、落ち葉、足袋乾燥中


空地のすみっこに、前ここを利用した人が集めていった薪がそのままになっていて、
その中からベストサイズの薪があれば乾燥させて使おうと思い、
積み重なっていた薪の山を上からどかしていたら、なんとビックリ!!

目の前に黄金色の大きなハブが出現!!

黄色のハブ
黄金色のハブ(クリック拡大)


発見するまで私はかなり乱雑にがさごそ薪を動かしていたけど、
この黄金のハブは微動だにせず、このくねくねの状態をキープしていました。

なんだかよくわからないけど、
その圧倒的な存在感に敬意をこめて手を合わせて拝ませていただきました。

空地の入口のすぐわきなので、
最初は通るたびに刺激しないように忍び足をしていましたが、
まったく動く気配がないのでそのうち恐怖心もなくなりました。


この日はのんびり過ごすことに。

近場を散策してわかったのは、この空地を出てまっすぐ
浦内川沿いの岩肌の上を歩けるようになっていて(増水時はきびしいかも)、
それを行くと浦内川にT字に合流するイタチキ川に出ます。

こっち側(軍艦岩方面)から来た時は川の向こう側に目印があるのがすぐ見えるので、
そのまま川を突っ切って反対側に行けばいいというのがすぐわかるけど、
前日の私のように向こう側(大富方面)から来た場合は、こちら側に何のサインもないので、
少し上流に行ったところに渡してあるロープに最初に目が行き、
そこから渡ってしまうというのは自然な流れだと思いました。

増水時に渡る用に設けてあるロープなのかもしれませんが、
大富方面から来た場合にはかなり紛らわしいです。

縦走していてところどころで思ったのは、
ポイントポイントにあるいろんな目印はやはり順走にわかりやすく付けられていて、
今回の私のように大富側からの逆走に対しては、このイタチキ川の渡渉地点のように、
あまり考えられていないところもあるような気がしました。


空地に戻ってみると、あの微動だにしなかったハブがいなくなっていました。

一安心と思いきや、暗くなって水場に行くのに近くを通ったとき、
足に何かが当たって、木の枝とは違う感触で何だろうとライトで照らしてみると、
私の足元から遠ざかって行くハブが見えてびっくりでした。

私がハブを蹴ってしまったようで、びっくりして逃げて行った様子でした。

どうやらお互いにびっくりしたみたいです。



>>Day 4【イタチキ川空地】
この日もイタチキ川空地にテントを張ったまま、
イタチキ川の上流にある、西表島縦走のハイライトとも言える
マヤグスクの滝を訪れました。

マヤグスクの滝
マヤグスクの滝


滝そのものもかなり見ごたえがあって感動的なんですが、
その滝がある場所がまたすごかったです。

周りの秘境的な景観がそれだけで圧倒的な存在感のあるマヤグスクの滝を
さらに神秘的に映し出し、自然の中に神を感じ崇拝する気持ちを起こさせてくれます。


マヤグスクの滝(古い携帯なのでかなり画質がわるいです)


しばらく滝を見ていたら、この段差を利用して上まで登れるような気がしてきてしまい、
登れそうなところを探してみるとなんとか行けそうだったので、登ってみることにしました。

聖地と言ってもいいようなこの場所に登ってもいいものか少しためらいながらも、
滝の上がどうなっているのか見てみたかったので、
自分なりに心の中で断りを入れて登ってしまいました。


しかし、登ってみて大正解。

何千年、何万年と変わらない風景がそこにはあるような気がしました。


もしかしたら、ここに登ってこの風景を見たのはおれが初めてかもしれない、
なんてことを思ったりもしましたが、しばらくして一人の女性とそのガイドが登ってきて、
しっかりとトレッキングコースに組み込まれていることがわかりました。

探検家気分で、ちょっと妄想に浸りすぎてしまったようです。


マヤグスクの滝の上(古い携帯なのでかなり画質がわるいです)


この近くに小屋でも立てて暮らせたら最高だ。

ふたたびそんなことを妄想しながら、
エネルギーに満ちあふれている大自然をしばらくの間全身全霊で感じました。


途中、瞑想をしたりもして、結局滝の上には3時間くらいいました。

午後からくもってきたので戻りましたが、
ずっと晴れてれば何時間でもいたいくらいでした。


ちなみに、横断道から滝までの道は道標や指標はありませんが、
とりあえずイタチキ川の崖沿いを上流に向かって歩いて行くと、
ブッシュの入口に目印のテープがあるので、
あとはところどころにあるテープを注意深くたどって行けば、
迷うことなく行けると思います。(片道20分くらい)



>>Day 5【イタチキ川空地】
午前中、空地の前の浦内川で素っ裸で沐浴。(というかただの水浴び?)

そして、昨日一日だけでは満足できず、昼ごろからふたたびマヤグスクの滝に行きました。

この日は滝の上で素っ裸になって水浴びをしたあと、
また瞑想したりぼけっとしたりして贅沢な時間を過ごしました。

手付かずの自然の中では裸であることが本来の姿のような気がするし、
その方がより自然の中に溶け込める感じがするのですが、変でしょうか?

まあ、人がほとんどこないところだからできることですけどね。



>>Day 6〜8【イタチキ川空地】
イタチキ川のこの空地は、すぐ近くにきれいな沢も流れているし、
周りは茂みで囲われているけど第一山小屋跡のような圧迫感はないし
数歩歩いて川に出ればとっても開放感があるので、とても居心地がよかったです。

結局、この空地には7泊しました。

もっと早く出てもよかったんだけど、山を下りたあとに予定している
西側の海を歩くルートは干潮の潮位がある程度下がらないときびしいので、
いずれにしろどこかで潮待ちをする必要があって、
それならここにずっといてしまえと思ったわけです。


この空地にいた間は、洗濯や水浴びなどのほかに、瞑想をしたり、
日の光を受けて鮮やかに発色している植物や風に揺れる木々や
瞬間瞬間を懸命に生きている生き物たちを観察したりして過ごしました。

ただぼけっと木や空を眺めているだけなのに、なぜかとても充実感があるのです。

心が満たされているような、癒されているような、そんな感じです。

そして、夕方から夜に変わるほんの1時間くらいの短い時間ですが、
ヤエヤマボタルの幻想的なイルミネーションに毎日見とれていました。


食事は、食パンやバナナや魚肉ソーセージなどは2、3日でなくなり、
それからは朝はクラッカー、夕方にオオタニワタリや大根入り味噌煮込みおじやの
1日2食が定番になってました。

キャンプ料理
ある日の調理風景


私がこの空地にいた間に来た人はたった3組。

マヤグスクの滝で会った女性とガイドのペア。このペアは日帰り。
その同じ日の夕方に空地に来た男2人組。彼らはそのまま先を急いで通過。
もうひと組は最後の夜にやってきた男3人組。彼らはこの空地にテント泊。

残りの日はジャングルの山奥の中で完全に私一人でした。(そりゃ素っ裸にもなるでしょ?)

この3組はすべて軍艦岩方面からやってきました。

どうやら私のように大富から来る人はほんと少数派みたいですね。


ちなみにこの空地は、増水時は危険な状況になるらしいので注意しましょう。



>>Day 9【イタチキ川〜船浮】
朝から文句なしの晴れ。
7泊したこの場所に別れと感謝を告げ、出発しました。

ここから先の道は楽勝だろう、なんて思っていたけど、
出発後まもなく道に迷ってしまいました。

ブッシュを抜けて一度川に出るところがあって、
私はその川がそれまで並行して歩いてきた浦内川だと思ったので、
少し川沿いを歩いたらまたブッシュに入るところがあるだろうと思い、
川沿いというか沢登りみたいな感じで石の上をなんとか進んでいったものの、
入口らしきところはないし、川もそれ以上先に進めそうな道が見当たらない。

どうしたものかと思案していると、
その川が浦内川だったら歩いている方向が下流じゃないといけないのに、
今は上流に向かって歩いていることに気が付いたのです。

そこで地図をよく確認してみると
その川は浦内川に流れ込んでいる支流だということがわかりました。


ということは、私がブッシュから出てきたところから、
この川を渡った向こう岸に入って行く道があるはず。

探したところ入口が見つかり、ようやく先へ進むことができたのです。


ここで迷ってしまった原因は、
地図では、川を渡る場所には渡渉地点のマークがいままで来た道には付いていたのに
イタチキ川から先にはそのマークがなかったので
私はもう渡渉地点はないものだと思い込んでいたわけです。

だから最初にブッシュを抜けて川に出たとき、
この川を渡った向こう岸に進むということはまったく頭になかったのです。

“思い込み”の怖さですね。

あと、私が出てきた方には向こう岸からよく見えるところに目印のテープがあるのに、
向こう岸の入口にはテープがない。

やっぱり逆走はちょっと迷いやすいです。


この川を渡ってすぐのところにあるのが、当初宿泊予定地として考えていた第二山小屋跡。

どうしてここを予定地にしていたかといえば、
営林署でもらった地図ではテントが張れそうな場所は
初日に泊った第一とここの第二山小屋跡くらいしかわからないのです。

第二山小屋跡に泊るなら、そこからそれほど遠くない
イタチキ川の空地を私はおすすめします。


地図を見た感じでもわかりますが、大富からイタチキ川までの道よりも
この日歩いていたイタチキ川から先の道の方が歩きやすく、
それに加え、私の場合は食糧が減ったので荷物が軽くなったせいもあり、
結構すいすいと行けました。

密林の道の終点、カンピレー口に出た時は
達成感と安堵感が入り混じり、なんとも晴れ晴れとしたハッピーな気分でした。


カンピレーの滝から先は急に観光客がたくさんいてちょっとびっくりもしたけど、
「写真撮ってくださーい」と何度か声掛けられたりもしてちょっとほっとする自分もいました。

西表島に来る観光客の99%以上の人は
このカンピレーの滝まで来て引き返していってしまうのでしょう。

カンピレーの滝、マリユドゥの滝を鑑賞。

マリユドゥの滝の近くまで下りる道は通行止で行けませんでした。

カンピレーの滝
カンピレーの滝

マリユドゥの滝
マリユドゥの滝(浦内川展望台より)


浦内川展望台でゴム足袋から足袋に履き換えて、
すれ違う観光客の人たちとあいさつを交わしながら遊歩道を軽やかに歩き
ようやく縦走のゴール、船着き場のある軍艦岩に到着。

軍艦岩船着き場
軍艦岩の船着き場


ボートのおじさんの話では、こちら側から縦走する場合は
二人以上じゃないとボートに乗せないらしいので、単独で行く場合は
いずれにしろ大富から入るしかなかったみたいです。

他にも船浦湾の方からテドウ山を経由して
カンピレーの滝付近に出てくるルートもあるみたいだけど
ほとんど人も通らない道だと思うので登山慣れした人じゃないと難しそうです。


ほとんど待つことなくちょうどいいタイミングでボート出発。

ボートの料金は確か1800円。片道でも往復でも同じ。

片道しか乗らない私にとってはちょっと高いです。


でも、縦走が終わった後のボートは最高の気分でした。


浦内川遊覧


浦内川河口の船着き場に到着後、そこから通りに出てバスに乗る予定だったけど、
時刻表を見るとちょうど行ってしまったばかり。

次のバスまではかなり時間があったので、
船着き場からほど近い炭坑跡に行ってみることにしました。


私は遺跡が好きだったりするので、
以前カンボジアで見たアンコール遺跡を思い出させるような
ここの光景には意外にも興奮しました。

ウタラ炭坑跡
ウタラ炭坑跡

ウタラ炭坑跡
ウタラ炭坑跡


ここは戦前、戦中の時代に栄えた炭坑で、
かつては映画館や芝居小屋、商店などもあったらしいです。

しかし、その裏では人間扱いされない過酷な労働とマラリアなどで
たくさんの人が命を落としたという歴史があるんだそうです。

ウタラ炭坑跡案内板
ウタラ炭坑跡案内板


浦内橋からバスに乗って向かった先は、終点の白浜。

白浜にある商店で少し食糧を調達して、船浮行きのフェリーを待ちます。

待っている間に食べた菓子パン、久しぶりの街の味はおいしかったです。


しばらくしてフェリー到着。船浮へ。


フェリーで白浜から船浮へ


船浮は西表島内の集落で、陸続きではあるけど道路が通じていないため、
この小型フェリーが唯一の交通手段。

そのため「陸の孤島」といわれています。

船浮
船浮


フェリーが到着して、実際に集落内を歩いてみると
さすが陸の孤島というだけあってちょっと別世界。

時間がかなりゆっくり流れている感じがしました。


船浮の集落は半島の東側に面していて、私のこの日の目的地は半島の西側にあるイダの浜。

イダの浜には田舎道が続いていて、その道もほんとのんびりしていていい雰囲気でした。


イダの浜へ行く道
イダの浜へ続く道


西表島縦断のあとに計画していた西側の海を歩くルートは
この船浮にあるイダの浜が起点になります。

イダの浜
イダの浜


この日私が到着したときはちょうど西日が当たって海がきらきらしていて、
静かに打ち寄せる波が無数に散らばるサンゴのかけらをシャラシャラ鳴らしていました。

写真ではいまいちわかりませんが、このイダの浜は本当に静かで美しいところでした。


ところで、イダの浜はキャンプ場になっていて、
テントを張るのは有料だという話を聞いていたけど、
受付だと思われるところに行ってはみたもののもう長いこと閉まっているような感じで、
敷地内にある水道は止まっているし、トイレやシャワーなども完全に封鎖されていて、
とても営業しているようには見えませんでした。

仕方がないので勝手にテントを張らせてもらっちゃいました。

ただ、ここで補給するつもりでいた水がないのが痛かったですが、
夕食に米を炊かないでその分を次の日の飲み水にまわすなりして
なんとか間に合わせることにしました。



さて、だいぶ長くなりましたが「サバイバルキャンプ@西表島【山編】」はここまで。

いよいよ翌日からは海を歩きます。


サバイバルキャンプ@西表島【海編】に続く
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Posted by Homa | comments(3) trackbacks(0)
comments
いやぁ〜無事生きて山を降りれて良かったね〜(~_~;)
ちさと | 2013/03/23 11:24
今年、西表島のキャンプに行こうと思い、調べ事の流れで拝見させて頂きましたが、どきどきワクワク読み入ってしまいました!
ありがとうございました(^-^)
Hari | 2016/03/05 12:31
hariさん
楽しんでいただけてよかったです。
何か参考になればうれしいです。
homa | 2016/03/05 13:49









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ヴィジョン―次元のベールを超えて見た地球の未来
ネイティブアメリカン長老の次元を超越した世界をリアルに表現したノンフィクション。トム・ブラウン・ジュニアの最高傑作。

私はアセンションした惑星からきた―金星人オムネク・オネクのメッセージ (超知ライブラリー)
私はアセンションした惑星からきた―金星人オムネク・オネクのメッセージ

ハトホルの書―アセンションした文明からのメッセージ(改訂版)―
ハトホルの書―アセンションした文明からのメッセージ

アミ 小さな宇宙人
アミ 小さな宇宙人
全3部作すべておすすめ!

あるヨギの自叙伝
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神秘学概論 (ちくま学芸文庫)
神秘学概論

ミュータント・メッセージ (角川文庫)
ミュータント・メッセージ

アルケミスト―夢を旅した少年
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