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ブリージング体験

先日、ブリージングというものを受けてきました。

私の友人の友人がトレーナーになる試験を控えていて
その日までに実践で何人かやらなきゃいけないということで
急きょ友人に紹介されて行ってきたために、
ブリージングというものが何なのかいまいちよくわかっていませんが、
とにかく今までにないなかなか貴重な体験をしてきたので、
とりあえずその私が体験したことを書いておこうと思います。


まずはじめに簡単な面談のような形で、
このくらいの歳のときは自分はどんな状況で、どんな人間でどんなことを考えていた、
というような感じで自分の今までの人生をわりと細かく話すように言われました。

これはブリージングを行っているときに出てくる感情の原因を
トレーナーが把握しやすくする目的があるそうです。


その面談の後、仰向けに寝っ転がり、
目を閉じてその上にタオルをかぶせ視界を暗くします。

そして、呼吸のやり方を教わりその呼吸法を続けるのですが、
例えて言うなら、100メートルを全力疾走した後の呼吸というか、
吸う息も吐く息も深くしてそれを結構なハイペースで繰り返すという感じです。

その呼吸をしばらく続けていると
次第に手や足がしびれるような感じでピリピリしてきました。

呼吸を続けている間、トレーナーは
「今どんな気分ですか?」
「何考えていますか?」
みたいな感じのことをちょくちょく聞いてきます。

私は最初の方は気分にあまり変化はなかったのですが、
注意深く観察して気付いたことは言うようにしていました。

さらに呼吸を続けているとしびれに加えて今度は筋肉が硬直してきて
手や足、顔がガチガチになってしまい動かなくなってきました。

普通ならこの体の状態の変化に驚いて不安になってきたりしてしまいそうですが、
私の場合この辺まではなんとなく友人に聞いていたので何の心配もせず、
呼吸と自分の感情に意識を集中していました。

そのうちまたトレーナーが質問をしてきます。

今度は、「何か言いたいこととか叫びたいことはありませんか?」という質問。
私は、特に思いつかないと答えました。

すると、
「それじゃあ、『感情を開放しても安全だ!』と何回か叫んでもらえますか?」
とトレーナーに言われました。

口の周りの筋肉が硬直して上手く言葉を話せない状態の中、
私は言われた通り「感情を開放しても安全だ!」と数回叫びました。

その言葉を叫んでいると、嬉しいというか、安心感というか、感謝というか、
どこかでちょっと感動しているというか、何とも言葉にしがたい良い気分でした。

それからちょっとしてから、
他に何か叫びたいことはないかとまたトレーナーに聞かれましたが、
特に思いつかなかったので、気分の良かった「感情を開放しても安全だ!」の言葉を
また叫ぶことにしました。

後から思い返すと、もうこのくらいのころには
意識の結構深いところまで入って行っているような感じだったと思います。

呼吸法はずっと続けている状態です。


どのタイミングだったかは記憶があいまいですが、
あるとき心の中に、小学生くらいのころに家の近所で遊んでいた情景が出てきて、
誰かに何かとても嫌な気分になることを言われている自分を思い出していました。

子どものころのことを思い出した、ということをトレーナーに言うと、
「どんな気分ですか?」と質問されました。

どんな気分なのかピッタリくる言葉がなかなか見つかりませんでしたが、
そのうち「くやしい」という言葉を思いついて、
自分はその時くやしい気分だったということがわかりました。

「・・・くやしいです」と私がゆっくり静かに言うと、
「そうか〜、くやしかったんだね。どうしてくやしいの?」
と子どもをなだめるような、同情するようなやさしい口調でトレーナー。

「・・・自分のことをわかってもらえないような、くやしさです」
私はなんとか言葉を探して自分の感情にできるだけ忠実に答えました。

「じゃあ、くやしい!って思い切り叫んでみようか」とトレーナー。

私はいつの間にか歯も食いしばっていて、口も硬直して上手く動かない中、
なんとか絞り出すように「ぐぅやしい!」と言葉にした瞬間、
心の奥の方からくやしさの感情がどっとあふれ出てきて
泣きそうになっている自分に気がつきました。

「もっと大きな声で!」とトレーナー。

次に「くやしい!」と言った時には鳴き声まじりの声になり、
一緒に涙も出てきました。

それから数回、「くやしい!」と言い続けていくうちに、
私は言葉も話せないくらい、わんわん号泣してしまい、
もう嗚咽といってもいいくらいの状態になってしまいました。

ちょっとの間、泣きたいだけ泣いて
気持ちが落ち着いてきたころワークを終了しました。


呼吸法をやめてからも体が元の状態に戻るまでに時間がかかり、
しびれや筋肉の硬直がなくなってきたので起き上がろうとしても、
いまいち体の平衡感覚がつかめずふらふらした状態でしばらく横になっていました。

ワークの前にトイレに行ったのにワークの途中で
またトイレに行きたくなったという話をトレーナーにすると、
尿意とか筋肉が硬直して上手くしゃべれないというのは実は拒絶反応で、
感情を開放しようとするのを肉体が拒絶しようとしている、という話でした。

なんとも不思議な現象です。


私は今回感情がわき出てきて号泣するというところまで行きましたが、
人によっては叫びまくったり、暴れまわったり、あるいは神秘体験をしたりと
いろいろなんだそうです。

また男性の場合は、子どものころから男の子だから泣いてはダメとか、
強くなくちゃダメと言われながら育ってきているので、
泣いたりして感情を開放するのは女性よりも抵抗が大きいみたいです。

私は不覚にも号泣してしまいましたが、
泣くことがもう何年ぶりなのかもわからないくらい久しぶりのことで、
泣いた後の浄化されてスッキリした感じもとても新鮮でした。

ちなみに、ワーク中に出てきた小学生の時の記憶は、
特にトラウマだったわけでもないし、それほどショックだった出来事でもないので
なぜ思い出したのかわかりませんが、いずれにしろ潜在意識の奥にあったしこりが解消され、
私の魂がまた少し解放されたということは言えるのかもしれません。

とにかく驚きの体験でした。

もし機会があればぜひ受けてみることをおススメします。



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